出典:ブラックジャック創作秘話(1巻)より
「定額制夫のこづかい万歳」、「昭和の中坊」を書いた、吉本 浩二 先生による全5巻の作品。
手塚プロの社員やアシスタント、出版社の担当編集、手塚治虫 先生の家族にインタビューをした漫画ノンフィクション。
当時の貴重なエピソードを漫画で描ききった力作であり、2012年の『この漫画がすごい!』オトコ編1位にも選ばれています。
| 作者 | 宮﨑 克(原作)・吉本 浩二(作画) |
| 出版社 | 秋田書店 |
| 掲載誌 | 週刊少年チャンピオン(別冊も有り) |
| 発表期間 | 2009年~2014年 |
| 巻数 | 全5巻 |
| 他メディア | ー |
見どころポイント
- 創作に命を捧げた男、手塚治虫
- 周囲の人間を困惑させる?天才・手塚治虫の人柄
- 大御所の漫画家が語る手塚治虫
創作に命を捧げた男、手塚治虫
戦時中から漫画を描き続け、数多くの名作を世に送り出した手塚 治虫 先生。
徹夜続きでどんなに苦しい状況でも、創作に妥協は決して許さず、新しい知識を貪欲に吸収し、新しい技術も取り入れていく…、『漫画の神様の仕事論』がインタビューを通じて浮かび上がってきます。
手塚 治虫 先生の熱気が伝わる様な、吉本 浩二 先生の作画も非常に見どころです。
また、そんな手塚 治虫 先生と仕事をしていた編集者やアシスタント、そんな大人達がどの様に影響を受けたか嬉しそうに話すインタビューも見ていて感動する作品になっています。
原稿を書く手塚 治虫
出典:ブラックジャック創作秘話(1巻)より
周囲の人間を困惑させる?天才・手塚治虫の人柄
手塚 治虫 先生は、時には変なワガママを言い出し、担当者やアシスタントを困惑させることがありました。
それは「真冬にスイカが食べたい」、「秋田県の鉛筆ではネームが書けない」など様々。
何故その様なことを手塚治虫が言い出したのか…?
インタビューされる関係者が、それぞれが違う角度で考察しているのも面白いです。
また辞めていくスタッフへの思い、手塚 治虫 先生の語る家族のエピソードも、本作の見どころです。
下北沢の赤いきつねを食べたい手塚 治虫
出典:出典:ブラックジャック創作秘話(2巻)より
大御所の漫画家が語る手塚治虫
「永井 豪」、「石ノ森 章太郎」、「松本 零士」、「藤子不二雄」、「赤塚 不二夫」…(敬称略)、日本の漫画界の歴史に名だたる人物が語るエピソードも本作の魅力です。
漫画界のレジェンド達は、手塚 治虫 先生からどの様な影響を受けたのか?
永井 豪 先生が手塚 治虫 先生とアメリカに旅行に行った際のエピソード、赤塚 不二夫 先生が手塚 治虫 先生の葬式に出た後に、ポロリとこぼした一言…
同じ時代を生きた漫画家だからこそ語れる視点は必読です。
飛行機で原稿を書く手塚 治虫(上部コマ右)
とそれを見る永井 豪(上部コマ左・下部コマ)
出典:ブラックジャック創作秘話(2巻)より
感想
タイトルには「ブラックジャック創作秘話」とありますが、ブラックジャックだけではなくアニメーターとしての手塚 治虫だったり、個性的な担当編集者、編集長を深堀りしたエピソードも多く、当時の漫画業界の仕事の雰囲気も勉強になる作品です。
『原稿を書くのに必死な手塚 治虫』と『原稿を取るのに必死の編集者』、この構図のエピソードだけでも何エピソードもあり、本気で仕事をする大人同士のぶつかり合いは見ていて飽きません。
また、中国で無許可で「鉄腕アトム」が出版されてしまったり、仕上がっていない原稿を編集者が勝手に掲載してしまったエピソードなど…、心打つシーンも多数!
「虫プロダクションの倒産」、漫画人気も他作家も台頭したことで「手塚 治虫は終わった」と周囲から言われた時期もありましたが、その苦難を乗り越えてブラックジャックはどの様に生まれたのか?
「手塚 治虫作品」を読むだけではもったいない。
本作を読んで「手塚 治虫の人生」を知ることで、より「手塚 治虫作品」が輝きを増すことでしょう。




